【不登校だった私のこと】ピンクのカーディガン

不登校の過去

8年も不登校・ひきこもりをしていた私ですが、その8年にはいろいろなことがありました。

ある日、きっかけは忘れましたが、母と百貨店に行きました。時期は今のようなとても暑い時期です。私はひきこもり真っ盛りで、びくびくと勇気をだして百貨店に行ったことを覚えています。当時の私はだぼだぼのジーンズによれよれのTシャツ。びっくりするほど青白く、髪は抜毛症の影響でボサボサでした。

店内に入った途端、そこは異世界で私は一刻も早く帰りたくなりました。母は私と来れたことでとても嬉しそうではしゃいでいるように見えました。

キレイでおしゃれな店員たち、ピカピカの店内、私は場違い感丸出しでした。私は一刻も早くその場を逃げ出したかったです。恥ずかしかったです。その段階で母に恨みさえ感じていました。

母は「これいいね」とピンクの薄手のカーディガンを差し出してきました。

「私がそんな可愛いカーディガンを着れるわけないじゃない!見てよ、この醜い私を!」

言葉には出しませんでしたが、着れるわけない…似合わない、店員に笑われる。それが心の声でした。そんな可愛らしいカーディガンを着れるような人間ではない。地味に後ろの方でひきこもっていなければならない。

店員さんの目もあったので

私は無言で猛然と出口目指して歩き出しました。母は来たばかりなのに帰ろうとする私にびっくりして

「ぶらりちゃん!」

と悲しい顔とがっかりした顔で慌てて追いかけてきます。手にピンクのカーディガンを持って。

しばらく行って振り返ると母は店員に止められていました。

ピンクのカーディガンをすまなそうに店員に返していました。

あの時は、母の気持ちに気が付かなかったです。あの日、母がどんな気持ちで私を百貨店に連れ出したのか。

その時は気が付かないことも、あとになってみて気が付くことがたくさんあります。

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