【不登校の対応】親の力が試される不登校の対応

不登校の対応

ずいぶん前にいただいたご相談でタイトルのようなことがありました。

詳細は書けませんが、

不登校でもなくてひきこもりでもない、ただ学校を退学しただけ・・・というお子さん。

お腹が痛かったり眠れなかったり病的な特徴は一切ありませんでした。学校に行くことを拒否し強い意志で学校をやめてしまいました。困惑したご両親は大騒ぎをして私のところに相談が入りました。

お話しをうかがって、退学を引き留める理由が見当たりませんでした。お話しを聞いて「いわゆる不登校やひきこもりとは違う気がする」とアドバイスするだけで終わりました。

その後、お子さんは退学後も規則正しい生活を送り、ある日資格を取り、独立し、家を出て行かれました。

でも、もし、退学すると言った段階で

「学校をやめてどうするつもりだ!絶対に将来はないぞ!」

「そんなんじゃ社会に出てやっていけないぞ!」

「世間体が悪い!恥ずかしい」

「家にいるならスマホもゲームも取り上げだ!」
 

そうやって両親から進路を否定され、罵倒されたらどうだったでしょうか?たぶん、その段階で即席不登校・ひきこもりが出来上がったことでしょう。

そして、お役所的には上記のケースも「不登校」とカウントされるのだろうと想像しました。

それほどまでに学校に行かないことは「悪」なんです。学校は社会性を身に着ける上で手っ取り早い場所ではあるけれど、代替場所はいくらでもあるんです。誰もそれに気が付かれません。

たとえば高校は実際義務教育状態で、行くのが当然、行かないと就職に不利などと言いますが、不登校になってしまった場合、最も不利なのは不登校が長期化している状態そのもので、すぐに見切りをつけて就職(バイト)したり転学した方が長い目で見れば実際は有利なんですけどね、なかなかそれまでの常識をひっくり返すことができません。

登校を迫る親はよく見かけますが、バイトを迫る親が少ないのは、そのためだと思います。

また、あきらかに精神疾患を発症しているのに、「ただの不登校だからそっと見守りましょう」的な対応を両親から勝手にされてこじらせているケースはかなりあります。

あれは何のポリシーなんだ?と不思議に思いますが登校に関してはギーギーギャーギャ―言うくせに、病院となると、本人が嫌って言ったので連れていきません(アッサリ)で終わります。未練たらしく親だけでも~としがみついて親だけ受診する家庭は本当に優秀で、もちろん回復率も全然違います。親が子を精神科に連れて行けない・行かない時点で家族機能が低下している証拠でもあるので、精神科断固拒否家庭の回復率が悪いのは当然と言えば当然なんですけどね。で、やっぱり平気で受診できる子は軽症か、次の予約なし薬も出されず追い返されますし、断固拒否な子はそれなりに何かありますよ

ちなみに私の相談者さんたちで「再登校や就職を果たし、あそこは完全な回復だな!」とハッキリ言える家庭は全て精神科医かスクールカウンセラー、支援者から指導を受けた家庭です。

これはこのブログでも何度も言っていますが思春期外来などは早い者勝ちなんです。情報を集め、病院を駆け回り、先に予約した親が健康を勝ち取るんです。

相談者さんから聞いた情報では、まず予約の電話が昔の人気チケット並みに繋がらない。繋がっても4カ月受診を待たされたそうです。(ちなみにこの方、お子さんが復学、その後継続登校されたので卒業しました)

かと思うと、自治体によっては保健所に月何回か思春期外来の医師が数名来て無料で相談できたりもするようなので、役所や保健所に問い合わせる行動力も必要になってきます。

それなのにようやく取れた予約、待ちに待った受診で「先生と合わない」と、たった一度の診察で断念している残念な親子もいます。ここはちょっと待って欲しいです。一回の受診で劇的に良くなったりしません。何度も通い信頼関係を築き、そこでようやく人間関係ができて本格的な治療が始まります。薬の効きもそうです。即効性のある薬ほど副作用や依存性も高いですし、10代にはまずキツイ薬は処方されません。ですので薬が効かないからとすぐに飲まなくなるのは間違っています。

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